【実施報告】いえしまキャンプ~海だ!いかだだ!冒険だ!~
■キャンプ概要
| 日 程 | 2025.8.6(水)~9(土) |
| 場 所 | 兵庫県立いえしま自然体験センター |
| 対 象 | 小学3年生~中学3年生 |
| 参加者 | 14名 |
| 引 率 | 14名 |
■1日目(8/6)
➢ 兵庫県立芸術文化センター前集合・出発
8時30分頃、子どもたちが芸術文化センターに集合しました。少し緊張している子や、これからの4日間へ期待を膨らませている子など、一人ひとり違う想いを持ちながら、キャンプがスタートしました。時間がたつにつれて、班のお友だちやリーダーと楽しそうに話す声が聞こえ始め、少しずつ子どもたちの緊張もほぐれ、次第に表情が明るくなり、笑顔がこぼれるようになっていました。

➢ 移動
バスでは3つのゲームを行いました。
1つ目は「本部・リーダーウソかホントかゲーム」です。このゲームは、お題に対して、嘘をついている人が誰なのかを隣の席のお友だちと相談して、嘘つきを当てるゲームです。最初は少し緊張した様子も見られましたが、「あのリーダーがちょっと怪しいかも!」と顔を見合わせて考えたり、初めて話すお友だちとだんだんと楽しそうに話したりする姿が見られました。
2つ目は「しりとりリレー」です。このゲームはテーマ(生き物・食べ物)にそって、横一列でしりとりをし、5分間でどの列が一番多くつなげられるかを競うゲームです。お友だちと協力し合い、より多く繋げようとしていました。1回目の結果をふまえて、「もっとたくさん繋げたい!」という気持ちが高まり、2回目には前よりも早く言葉を出そうとしたり、待っている間に考えを巡らせたりする姿が見られました。
3つ目は「いえしまクイズ」です。このゲームはいえしまに関するクイズを隣の人と相談して、答えを導き出していくゲームです。クイズを通していえしまについて知ることで、子どもたちの関心も高まり、いえしまに行くことへの期待がふくらんでいるようでした。お友だちと話していく中で緊張もほどけたのか、これからに胸を躍らせている様子が見られました。
バスの中でも船の中でも笑い声がたくさん聞こえ、いえしまに着くころには、集合時よりもリラックスした様子で、にぎやかで元気いっぱいの雰囲気になっていました。船ではデッキに出れる機会があり、子どもたちは海の風を感じながら、海の景色を楽しんでいました。


➢ 到着・昼食
いえしま自然体験センターに到着後、お昼ご飯の時間です。お弁当を嬉しそうに広げ、おいしそうにお弁当を食べていました。ご飯を食べながら、午前中の出来事を楽しそうにお話しして、午後からの活動を楽しみにしていました。


➢ アイスブレイク
昼食後、アイスブレイクを行いました。4日間を過ごす班のお友だちと協力して、2つのゲームに取り組みました。1つ目は「人間知恵の輪」です。班で円になり両隣以外の人とタオルでつなぎ、できた大きな知恵の輪を相談しながら解いていくゲームです。「ここをこうしてみよう!」「ちょっと回ってみて!」と声をかけ合いながら、班で協力して解こうと奮闘していました。班のチームワークがぐっと深まった時間になりました。1班は二重丸、2班は無限マークと一つの丸にはなりませんでしたが、班の個性が現れた円が完成しました。ゲームが終わったあとは、「もう一回やりたい!」「今度は絶対まるくしたい!」という声も聞こえていました。
2つ目は「隣の人クイズ」です。班で4グループに分かれて、名前・学年・好きなスポーツを伝え、班ごとに円になります。そしてペアでジェスチャーで好きなスポーツを伝え、他の人が当てるゲームです。班のお友だちについて深く知る機会となりました。少し難しいジェスチャーもありましたが、班全体で協力して正解を導き出そうとする姿がとても印象的でした。 アイスブレイクを通して、班の仲もぐっと深まり、自然と笑顔と会話が増えました。



➢カレーの具材決め
アイスブレイクの後は、夕食のカレー作りに向けて食材を決めました。「いえしまを楽しく・元気に過ごせるカレー」をテーマに班でどの食材にするのか、そのカレーの名前は何にするのかを話し合いました。班のお友だち全員が納得できるよう、「これがいい!」と自分の意見を伝えつつ、みんなの話をしっかり聞き合いながら、「どうしたらみんなが喜べるかな?」と工夫して話し合っていました。時には「それもいいね」「じゃあこうしたらどう?」と意見を組み合わせたり、「この具材使ってもいいよ」と譲り合いしたり、みんなで納得できるカレーを目指していました。初めての話し合いで、ちょっぴりドキドキしながらも、全員が自分の意見をしっかり伝え、相手の意見もしっかり聞くことのできた話し合いになりました。食材とカレーの名前が決まると、みんなの前で発表しました。緊張しながらも、堂々と発表している姿がとても素敵でした。


➢夕食づくり・夕食
食材が決まるといよいよカレー作りがスタートしました。班の中で、お米隊・野菜切り隊・火起こし隊に分かれ調理がスタートしました。どの部隊もリーダーに頼ることなく、お互いに教え合いながら、作業を進めていました。火を安定させるために、小枝を集め、薪を組み、うちわで風を送りながら火を大きくしようと懸命に取り組んでいました。野菜隊やお米隊の子どもたちも、みんなで美味しいカレーを食べられるよう、野菜の大きさ、お米の水の量などどれくらいがいいのか、お友だちのことを考えて丁寧に作業する姿が印象的でした。
しかし、みんなの思いとは裏腹に順調にカレーが完成!とはなりませんでした。1班のお米は水とお米が分離してしまいました。そのお米を復活させてみるのか、もう一度新しく作り直すのか、リーダーが作ったものを食べるのか、3つの選択肢が与えられもう一度話し合いをしました。お米が失敗してしまい、落ち込んでしまう子もいましたが、班全員で話し合い「お米を復活させながら、新しくお米をもう一度炊く」という選択をしました。全員が諦めることなく協力して取り組んでいました。お米を復活させることにも成功し、新しく炊いたお米はきれいに炊けていました。新しく作りなおしたお米をみんなで見た時、みんなの顔には満面の笑みが広がっていました。
2班はカレーがなかなかトロトロになりませんでした。小枝を集めて、うちわで仰いで、火を大きくしようと奮闘し、煮込んでいましたが、カレーにトロミがつくことはありませんでした。しかし、「いつものカレーより美味しい!」「みんなの努力の結晶のカレー!」と美味しそうに笑顔を浮かべて食べていました。 自分たちで選んだ食材で、自分たちで調理したカレーはどんな料理にも負けない特別な味となりました。火を起こし、食材を切り、ごはんを炊いて、友だちと一緒に作ったカレーには、頑張った時間や思いやり、達成感がぎゅっと詰まったものになりました。



➢ プログラム決め
いえしまキャンプの特徴であるプログラム決め!自分たちで話し合って2日目の午前・午後、何をするのかを決めました。多数決・じゃけんは使用禁止というルールの中での話し合い。自分が何をしたいのか、お友だちはどうしたいのか、みんなが納得できるようにじっくりと話し合いました。どのように話し合いを進めればいいのかと戸惑う様子も見られました。「どうすればみんなが楽しめるかな?」「それもいいね!」と声を掛け合いながら、お互いの気持ちを大切にし、譲り合ったりしながら、プログラムを決めていきました。最後には、「これならみんなで楽しめるね!」と笑顔で決定する姿が見られました。そして、自分たちで決めたプログラムだからこそ、2日目への期待もよりふくらんでいるようでした。


■2日目(8/7)
➢ 朝食
2日目の朝食は施設の食堂でした。みんな、元気に「おはよう!」とあいさつしてくれました。あいにくの雨となってしまい、昨日決めたプログラムが予定通り行けるのかと気にしている様子が見られました。今日のプログラムがどうなるのか不安を抱えたスタートとなりました。


➢ 午前プログラム
雨のため、海でのプログラムが実施できなくなってしまい、もう一度プログラム決めからのスタート。1班は室内遊び、2班は浜遊びに決定しました。急な予定変更にもかかわらず、子どもたちは気持ちを切り替えて、それぞれの時間を思いきり楽しんでいる様子が印象的でした。室内遊びでは、釣りゲームやお絵描き対決を楽しんでいました。ゆったりとした時間になり、班のお友だちと話す時間ができ、班の中がより一層深まったようでした。浜遊びでは、波の音を聞きながら貝殻を拾ったり、海を見たり、浜を走り回ったり、思いきり体を動かし元気いっぱい浜で遊んでいました。



➢ 昼食
昼食はリーダーたちが作った豚塩ネギ丼を食べました。朝降っていた雨も止み、午後から晴れのアクティビティができるようになったので、わくわくしながら午後のプログアムに向けて、しっかりエネルギーチャージをしました。


➢ 午後プログラム
1班は浜遊び・工作、2班は海水浴を行いました。1班は浜遊びで集めた貝殻を使用し、工作をしていました。「この貝殻綺麗でしょ!」「こんなに集めたんだ!」と集めた貝殻を出しながら、みんな嬉しそうに話していました。中には海藻を集めて、使用している子もいました。工作では、どんなデザインにするのか考え、真剣に作っていました。自分の満足するフォトフレームが作れたようです。
2班はお友だちとどちらが早く泳げるのかを競走したり、浮き島まで行き、飛んだりしていました。ゴーグルをつけ海の中を観察して、「魚が見えた!」とお友だちやリーダーに教えていました。海に入る事ができ、気持ちいいと言いながら楽しく泳いでいました。3時間みっちり海水浴をして海を満喫していました。



➢夕食
2日目の夕食はリーダーが作った焼きそばとフランクフルトとでした。元気いっぱい遊んだ子どもたちは、たくさん食べていました。今日楽しかったことを嬉しそうに班のお友だちを話していました。また、明日からのプログラムが待ちきれないくらい楽しみにしている様子でした。


➢プログラム決め
1日目の夜と同様、話し合って3日目のプログラムを決めました。3日目はイカダ作りが行えるようになりました。また、今日できなかったプログラムもたくさんあるため、どのプログラムをするのか悩んでいました。そんな中、リーダーシップを発揮しみんなの前に立って話しを進める子、みんなの話しをまとめる子、みんなの話をしっかり聞いている子など、打ち解けることができたからこそ、それぞれが自分のできることを積極的に行っている姿がありました。最後には「みんなこれで本当に納得している?」「少しでも納得してないならもう一回話そ!」とお友だちのことを想った発言が聞こえてきました。みんなが楽しめるように!納得できるように!と自分だけでなく、お友だちのことも考えて一生懸命プログラムを決めていました。


■3日目(8/8)
➢ 朝食
3日目の朝食はカートンドッグでした。自分で具材を乗せ、アルミホイルで包んで火をつける。全て自分で行いました。苦戦している子がいれば、自然と手を差し伸べている姿が見られました。自分の手で作ったからこそより美味しく、みんなの記憶に残る朝ごはんになりました。



➢ 午前のプログラム
3日目の午前プログラムは1、2班ともいかだ作りでした。いかだ作りってどんなことをするんだろうとワクワクきた気持ちで始まりました。いざやってみると結び方が難しく、苦戦している子も多く見られましたが、班全員で協力し合って見事、いかだを完成させました。そして、いざイカダに乗船!班全員の力を合わせて、沖までいかだを進めることができていました。日常生活ではできない体験だからこそ、みんなの目は輝き、達成感に満ちあふれていました。自分たちの手で何かを作り上げる喜びを感じられた瞬間になりました。。



➢ 昼食
3日目の昼食はコーンウインナーチャーハンとオニオンスープでした。午前中に、いかだ作りで体をいっぱい動かしたからか、たくさんおかわりをしていました。午前の疲れを感じさせないくらい元気いっぱいでした。


➢ 午後のプログラム
3日目の午後は、1班は海水浴、2班は工作を行いました。1班は浮き島に行って、元気いっぱい飛び込んでいたり、浮き輪に乗ってぷかぷかと浮かんでいたり、お友だちと水をかけあったり、みんなの笑い声が海に響き渡っていました。お友だちと一緒に海へ飛び込む様子すごく楽しそうで、海水浴が終わるギリギリまで浮き島に残る子どもたちが多くいました。
2班は工作を行いました。1日目の浜遊びの時に集めた貝殻を使用していました。班のみんなでお話ししながら楽しそうに作っていました。おしゃれでかわいいフォトフレームが完成していました。



➢ 夕食
3日目の夕食はリーダーが作った牛丼でした。美味しいと笑顔に口いっぱい頬張っていました。3日間全力で遊び尽くしたはずなのに、そんな疲れも見えず、まだまだ元気いっぱいの様子でした。


➢ キャンプファイヤー
3日目の夜は、一大イベントの一つであるキャンプファイヤーを行いました。まず点火式から始まりました。「火の神出てこーい!」とみんなで声を一つにして呼びました。火の神が、火を宿していよいよキャンプファイヤーがスタートしました。まずは、「ジャンボリミッキー」。音楽が鳴り始めると、自然と体が動き出し、子どももリーダーも一緒になってノリノリで踊りました。雰囲気も盛り上がり、火も大きくなってきたところで1つ目のゲームが始まりました。
1つ目のゲームは「言うこと一緒やること一緒」です。リーダーが「前!」と言ったら、みんなも「前!」と言いながらその方向に進みます。「後ろ」「右」「左」と、色んな方向を混ぜて繰り返し、みんなは一生懸命ついていきました。次のルールは「言うこと一緒 やること逆!」です。全員で声を合わせて、「言うこと一緒やること逆!」と言うと、今度はリーダーが「前!」と言っても、みんなは「前!」と言いながら逆の「後ろ」へ進みます。「右」と言われたら左へ、「後ろ」と言われたら前へと。頭をフル回転させながら、みんな楽しそうに体を動かしていました。言葉と動きが合わないため、なかなか動きが揃わず、思わず笑いがこぼれました。
2つ目のゲームは「いえしま冒険しようよ!」です。猛獣狩りのリズムに合わせ、みんなで声を揃えてリーダーが言ったことを真似したあと、リーダーが言った動物の文字数と同じ人数のグループを作りました。最初はすぐ集まれたのに、文字数が増えると難しくなり、班の垣根を超えて、みんなで交流している様子が見られました。
3つ目のゲームは「サイレントカウントゲーム」です。全員が円に座り、声を出さず順番に静かに立っていきます。被ったら最初からやり直し、全員で多くの連続カウントを目指すゲームです。なかなかカウントが進まず、子どもたちなりにどうすればうまくいくのかを考え、たくさんの案を出し合っている姿が印象的でした。全員立つことはできませんでしたが、子どもたちの成長の瞬間を見ることができたゲームになりました。
いえしま最後の夜を全力で楽しんでいる様子に、見ているこちらまで思わず笑顔になりました。ゲームを通して自然と声をかけ合い、協力し合う姿があちこちで見られました。どの瞬間も笑い声が絶えないキャンプファイヤーになりました。


■4日目(8/24)
➢朝食
4日目の朝食は施設の食堂でした。4日間で仲良くなったお友だちやリーダーとお話しをしながら食べていました。今から行うキャンプデューティーに向けてしっかりエネルギーを補給しました。


➢ キャンプデューティー
3泊4日のキャンプをついに最終日。4日間過ごした部屋を自分たちでピカピカに掃除します。自分の荷物を片付けて掃除機をかけたり、掃き掃除をしたりしました。声をかけ合いながら協力して片づけていく様子がとても頼もしく感じられました。部屋も心もスッキリして、気持ちよく帰る準備が整いました。


➢ ふりかえり
4日目のふりかえりは「頑張ります宣言」を行いました。いえしいまでの4日間を過ごして自分がどんなことを感じ、家に帰ってからどんなことを頑張りたいかを一人ひとりが考えました。自炊を通して家のお手伝いを頑張ろうと思った子、話し合いを通して人の話をよく聞き、自分の考えを伝えることを頑張ろうと思った子など、前向きな思いを言葉にしていました。


➢ 工作
いよいよ最後のプログラムの工作です。自分だけのオリジナルネームプレートを作りました。ベースとなる木の板に砂で名前を書き、貝殻で飾り付けをしました。ペンや海藻を使う子、名前をローマ字で書く子などそれぞれの個性が輝いたネームプレートとなりました。笑顔があふれる楽しい時間になりました。このネームプレートは、キャンプの思い出形に残すことができる素敵な宝物になりました。


➢ 昼食
4日目の昼食は施設の食堂でした。いえしまの4日間を振り返りながら、思い出話に花を咲かせていました。帰る時間が近づくことを少し寂しく感じている様子も見られました。そんな中でも、笑顔でお話しをしており、みんなで過ごす時間を楽しんでいました。


➢ 兵庫県立芸術文化センター前到着・解散
4日間、たくさん遊んで疲れている中、島の長い坂をみんなで声を掛け合い乗り越え、船とバスに乗り、兵庫県立芸術文化センター前に到着しました。バスでは疲れて寝てしまっている子もいれば、まだまだ元気が有り余っており、お話しをしている子など様々でした。
長いように思えた3泊4日間もあっという間に過ぎ、無事に兵庫県立芸術文化センターに到着することができました。4日間一緒に過ごしたお友だちとの別れを惜しむ姿も見られましたが、みんな笑顔で、元気にお別れをしました。

